何故、メンテナンスが必要なのか?
飼育をしていく過程で、熱帯魚の排出物(糞等)や餌の残りカス、水槽内で枯れてしまった水草、コケの発生(水草に付着していたコケ、水質の悪化、光を多く浴び過ぎる)等から水槽内に汚れが溜まっていきます。すると、熱帯魚にとって適した生育環境ではなくなってしまい、折角飼育し始めた熱帯魚も死んでしまいます。そうならない為にも、定期的なメンテナンスを行い熱帯魚にとって快適な水槽環境を整える必要があるのです。
水槽メンテナンスの基本
・水槽の水の入れ替え
・水槽の床底の掃除
・ろ過槽の掃除
・水槽外の掃除
まずはメンテナンスの基本の要点をおさえましょう。飼育している熱帯魚の種類にもよりますが、その熱帯魚に適した定期的な水槽メンテナンスを行い水槽内の環境を安定させましょう。しっかりメンテナンスする事で熱帯魚も元気で健康に長生きする事が出来ます。
【水の入れ替え】
水槽や魚の量、ろ過器の大きさにもよるので、入れ替えの頻度は異なりますが、基本は2~3週間に一度、3分の1程度新しい水との入れ替えを行います。全ての水を入れ替えない様に注意して下さい。全て新しい水に替えてしまうと、折角、水槽内に生息したバクテリアが居なくなってしまい、水槽環境が悪くなってしまいます。水の中で生きる生き物にとって、バクテリアがいることも大事な要素になるので、それらを踏まえた上で水の入れ替えを行いましょう。
ろ過器を設置している方もおられると思いますが、ろ過器はあくまでも水槽内に発生する有害物質をできるだけ害の無いものにしてくれているだけなので、水の入れ替えは必要です。
必要な道具とは?
・バケツ
水槽内の古い飼育水を貯めたておく為、そして、新しい飼育水を貯めておくためにも必要な道具となります。バケツ大きさですが、余りにも容量が大きいサイズの物だと、水を運ぶ作業がとても大変になってしまうので、10Lサイズ位が適切です。
・プロホース(排水道具)
水槽の水を排水する為の道具です。底床がソイル(土で出来た底床の事)だと粗く吸い出す事が出来ませんが、砂や砂利などの場合は綺麗に吸い出す事が出来ます。
プロホースには、S・M・Lとパイプの長さが違うサイズがあるので、水槽サイズに合った物を使用しましょう。
<サイズの目安は以下の通りです>
・S=30cm水槽向け
・M=60cm水槽向け
・L=90cm水槽向け
・タオル
タオルも必需品です。水を入れ替える作業の時に、水槽のガラス、水槽の周りに水が落ちてしまう事があるので、最初から用意しておきましょう。とっさの時にすぐに拭き取る事が出来ます。
以上、最低限でもこれらを準備しておけば水槽の水替えが出来ます。
水替えのやり方
バケツを水槽より下に置いて、ホースの先をバケツに入れます。
※ここで注意する点は、必ずバケツを水槽よりも下に設置する事です。そうしないと、水が落ちてこないので気を付けましょう。
次に水槽の中にプロホースの吸水口を入れて、何回かスターターを押して、水を引き上げてきます。バケツに水が落ちたら、後は勝手に水槽の水がバケツに流れてくるので、スターターを押す事を止めて大丈夫です。
水草の間、ソイルにプロホースの先をさしておくと、水をくみ上げる際に、細かいゴミや生物達から排出されるフン等を吸い出す事が出来ます。この作業を怠ると、水質のバランスが不安定になったり大量にコケが発生したりしてしまうので、水替えと一緒にメンテナンスをしておくと良いです。
※ここで注意する点は、綺麗にし過ぎてしまわないことです。実は、あまりにも綺麗にし過ぎてしまうと、バクテリアが居なくなり、それがコケの発生を引き起こします。
◎水温を合わせた水道水を水槽に入れる
汲み上げたバケツの水を捨てたら、水道水を用意します。水槽の水温に近い温度になるように調整してから、水槽に水をいれましょう。飼育している生き物やバクテリアにとって急激な温度変化というのは、大変負担になります。なので、必ず水温調節をしましょう。※水温調節の方法としては、お湯を入れて水道水の水温を調整していくと良いです。
◎バケツの水道水に水質調整剤を入れる
水道水のに中には、熱帯魚やバクテリアにとって有害な物質が含まれています。塩素や重金属(亜鉛等)です。塩素中和・重金属を無害化する商品が市販されているので、それを水道水に規定量入れて混ぜるとアクアリウムに害の無い水質が調整されます。
※水質のPH(酸性、中性、アルカリ性)があまりにも違い過ぎるとPHショックというものを生物が引き起こし、水槽内で飼育している生物が暴れ出すという現象が起きます。そうならない為にも、水質管理もきちんと行っていきましょう。
◎水を水槽にゆっくり入れていく
バケツで直接水槽に流しいれるのではなく、バケツよりも一回り小さい入れ物を用意し、それで水を汲んで水槽に入れていくと失敗も最小に抑える事が出来ます。また、ソイルや水草の汚れが一気に舞ってしまわない様に、ゆっくり水を水槽に入れ、水が濁らない様にしましょう。
水槽メンテナンス